走査型プローブ顕微鏡(SPM)データギャラリー

ポリ塩化ビニルの自動転移温度測定

ポリ塩化ビニルの自動転移温度測定
株式会社日立ハイテクサイエンス

ジャンル 有機・高分子, 生体, 無機材料
モード 温度スウィープ
測定領域 2μm
ステーション NanoNavi
装置 E-Sweep

 解説
Fig1
Fig.1 SPMによる自動転移温度モニター機能

Esweep結果 Fig2-b
Fig.2 PVCのガラス転移
(a)E-sweepの結果 (b)DSCの結果
高分子材料はガラス転移状態において、分子鎖の緩和挙動が活発になり、表面の摩擦特性や粘弾性特性が大きく変化することが知られています。(1))(2) このことを利用し、Fig.1のようなSPMによる自動転移温度モニター機能を開発しました。(3)(4)  E-sweepは、探針を試料に接触させたまま、あらかじめ設定しておいた試料の設定温度範囲を自動で掃引しながら、試料熱膨張による寸法変化は常にキャンセルできる機構を備えています。 このような温度制御下で、VE-AFMモードにおけるレバー振動の位相δ情報や、FFMモードによる摩擦信号をモニターし、グラフ化することで、高分子材料の極微領域での熱分析を可能としています。

Fig.2(a)は、PVC(ポリ塩化ビニル)シート(1mm×1mm×0.5mm)の自動ガラス転移温度測定の結果です。このグラフから、ガラス転移状態を示す考えられるピーク構造が見られます。Fig.2(b)に示すマクロな熱分析装置であるDSCで観測されたガラス転移とも相関のあるデータが得られていると考えられます。 
引用文献:
(1) T. Kajiyama et al: Macromolecules, 27 (1994) 7932
(2) K. Takahara et al: Langmuir, 19 (2003) 6573
(3) 二瓶亜三子他: 第51回応用物理学会講演予稿集 (2004) 1367
(4) 中村希央: 月間トライボロジー No.210 (2005)32
関連文献:
  •アプリケーションブリーフ No.51
•アプリケーションブリーフ No.52
•アプリケーションブリーフ No.53
•STM'05発表ポスター

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